株価の差で儲けるぐらいなら競馬のほうがいい

世間一般では、「株は投資、競馬はギャンブル」と明確に線引きされています。しかし、その中身を深く覗いてみると、実は私たちが信じている「常識」とは逆の真実が見えてくることがあります。

極論かもしれませんが、「短期的な株価の変動で儲けようとするくらいなら、競馬に真剣に向き合うほうがよっぽどマシ」。そう言い切れる理由を、投資の本質から紐解いていきましょう。

「株価の差」で儲けるのは、ただの「オッズの歪み」狙い

多くの人が行っている短期トレードや、単なる価格の上下を狙った売買。これは厳密に言えば「企業の応援」ではなく、「市場の期待値(オッズ)のズレ」を奪い合っているに過ぎません。

  • 「みんなが買いそうだから、先に買っておこう」
  • 「チャートがこの形になったから、次は上がるはずだ」

これは、競馬で言えば「馬の能力を見ずに、オッズ板だけを見て、人気がなさすぎる馬に機械的に賭ける」行為と同じです。そこには企業の成長も、ビジネスの価値も存在しません。ただの「数字のゲーム」です。

競馬は「ビジネスの成功」を予想する投資に近い

一方で、真剣に競馬に取り組む人のプロセスを見てみましょう。彼らがやっていることは、実は「ファンダメンタルズ分析」そのものです。

項目競馬での視点株式投資での視点
血統・背景優れたDNAや育成環境(ポテンシャル)経営陣の質、企業の歴史、企業文化
近走成績直近のレース内容と成長度過去数期の決算、売上高成長率
適性・環境コース、馬場状態、距離適性市場シェア、競合他社、経済状況
ジョッキー馬の能力を引き出す指揮官CEOの手腕、現場の実行力

競馬ファンは、その馬がどのように成長し、この「レース(という名の事業)」でいかに勝利を収めるかを予想します。これは、「この企業が新しい市場でシェアを勝ち取り、業績を向上させる」と信じて投資する行為と、構造的に極めて近いのです。

「成長」を見守る喜びがあるか

株価の差だけを追い求めるトレードには、対象への愛情が希薄になりがちです。画面上の数字が増えたか減ったか、それだけが関心の対象になります。

しかし、競馬(あるいは本来の事業投資)は違います。

「あの時負けたけれど、今回は条件が合うから輝くはずだ」

「新馬戦の頃に比べて、見違えるほど体が仕上がってきた」

このように、「個体の成長や努力の結果として、勝利(リターン)を掴み取る」というプロセスには、人間味のあるドラマがあります。企業の業績向上を願って長期保有する投資家が抱く「手応え」は、むしろ競馬の予想プロセスに近いものがあるのです。

数字を追うか、本質を追うか

もしあなたが「単なる数字の上下」に一喜一憂し、疲弊しているのなら、それは投資ではなく、最も効率の悪いタイプのギャンブルに手を出しているのかもしれません。

それならば、一頭の馬(一つの企業)の血統を調べ、成長を見守り、その晴れ舞台に期待を寄せる競馬のほうが、よほど「投資の本質」を突いていると言えるのではないでしょうか。

大事なのは、オッズ(価格)に振り回されることではなく、「勝つべき理由がある対象」を見抜く力を養うことなのです。

※ここまで競馬と投資の共通点を解説してきましたが、一点だけ忘れてはならない決定的な違いがあります。それは「期待値」です。競馬には主催者の取り分(控除率)があるため、統計的な期待値は常にマイナスとなります。そのため、競馬は資産を増やすための手段には決してなりえません。あくまで、「企業の成長を見極めるのと同様の分析プロセスを楽しむ趣味」として向き合うのが、健全で賢い楽しみ方です。大切なお金は、期待値のプラスな市場(適切な投資先)で運用することを忘れないでくださいね。

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